さていよいよテンション・コードです。
今回で最終回です。
テンションとは4和音の上にさらに音を増やしたコードです。緊張感が増したり奥深い響きが生まれたりします。
テンションには大きく分けて9、11、13の3種類があります。
ルートに対して9度(オクターブ上の2度)、11度(オクターブ上の4度)、13度(オクターブ上の6度)です。(実際ヴォイシングによってはオクターブ上にならない事もあります)
更に細分化すると
■9
♭9、9、#9
■11
11、#11
■13
♭13、13
これらのテンションがどこでも自由に使えるというわけではなく、コードの機能、スケールによって限定されてきます。・・・と言うと、堅苦しいですが、簡単に言うとコードの機能や響きなどをぶち壊す音はなるべく使わないほうが良いと言うことです。上手く使う事で楽曲がより味わい深いものになると思います。
キーに対して、どの機能のコードかによって使えるテンションが変わってきます。
それでは、ダイアトニック・コードで使えるテンションを見ていきましょう。
■メジャースケール上で使用されるテンション
【I M7及びI6】(9,13)
【II m7】(9,11)
【III m7】(11)
【IV M7及びIV6】(9,#11,13)
【V 7】(♭9,9,#9,#11,♭13,13)
【V 7sus4】(9,13)
【VI m7】(9,11)
【VII m7(♭5)】(11,♭13)
補足
【V 7】(ドミナント)に関してはかなりたくさんのテンションが使用できますが、それらが全て同時に使えるわけではなく組み合わせによって変わってきます。メジャーキーのおだやかな『ナチュラル系』と、マイナースケールからの借用、ジャズ的アプローチの強い『オルタード系』に分けられます。オルタード系では4つの組み合わせから選択することになります。
①ナチュラル系
(9,#11,13)
②オルタード系
(♭9,#11,♭13)
(#9,#11,♭13)
(♭9,#11,13)
(#9,#11,13)
■マイナースケール上で使用されるテンション
【I m7】(9,11)
【I m6】(9)
【I mM7】(9,13)
【II m7(♭5)】(11,♭13)
【♭III M7及び♭III 6】(9,13)
【IV m7及びIV m6】(9,11)
【V m7】(11)
【V 7】(♭9,#9,#11,♭13)
【♭VI M7】(9,#11,13)
【VI m7(♭5)】(9,11)
【♭VII 7】(9,#11,13)
【VII dim】(♭13)
補足
・マイナースケールは3種類あるのでそのテンションノート(及びコード)がナチュラルマイナー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーのどのスケールに属するかを考えメロディやアレンジを考える必要があります。
・【VII dim】に関しては上記以外にM7を加えてテンションと考える事もできます。
・ディミニッシュコードのテンションの考え方
コード構成音のM2度上の音がそのスケール内の音であればテンションとして使用できる。
■まとめ
今まで『コードを覚えよう』というタイトルでここまで連載してきました。
コードをコードネームだけでなく構成音や響き、スケールと絡めて覚える事がこの連載の目的でありここまででそれを解説したつもりです。
少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。