カテゴリー「ボカロ調声」の3件の記事

ボーカロイドの調声方法についてあれこれ考える。

2009/11/22

ボカロ調声論

ミクを音符通りベタ打ちしてやれば、多少の不自然さは残るものの他のボカロに比べれば、それなりに聴ける歌を歌ってくれます。

しかし、歌とは何ぞ?

プロ、アマチュア関係なく心を打つ歌唱は声質、技量だけではなく、その人特有の味を持っています。
平坦な歌唱では心に響きません。
その辺を意識しながらボカロ調声も試行錯誤しているわけでありますが。

自分の経験上での調声手順で話しますが、まだまだ知らない事が多いし、他にも良い方法があるかもしれませんので参考程度に。^^;


ボカロエディタで調声する上でまず始めにすること。
音符を入力(もしくはMIDIを流し込む)したら、まずデフォルト歌唱スタイルの各パラメータを弄り、調整したものを全ての音符に適用。(”現在のトラックに適用”ってところをクリック)
ある程度自然な歌い方になるまでこれを繰りかえす。
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その後、不自然、不安定な箇所の音符に表情コントロールプロパティで個別にパラメータを弄る。
ジェンダー(JEN)で声質を決め、
アクセント(表情コントロールプロパティの一番下のパラメータ)、ダイナミクス(DYN)で抑揚を付ける。

あとはブライトネス(BRI)、クリアネス(CLE)などの音色的なパラメータを弄ったり、音の伸びきっていない箇所などに母音をはさんでやる。

これだけでもベタ打ちよりは格段に良くなると思います。

でもまだ何か足りない。

ボカロ調声の味付けに最も効果が高いのは、おそらくピッチ(音程)のコントロールであろう。
やりすぎると不安定、ただの音痴になりますが、譜面通りの完璧な音程ほどつまらないものはないと思います。
安定、不安定のバランスでより音楽的(歌)になるのだと思います。


エディタ上で音程を変化させるには大まかに4通りの方法があると見た。

①母音による音程変化
音を伸ばしている箇所などで、直接音符として書き込んでいく方法。
『ラ〜〜〜ララ〜ラ〜』
『ラ〜ああララあラ〜』
例えば「あ」の部分に新たに音符を追加して音程を変化(揺らす)させます。
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②表情コントロールプロパティによる音程変化
音符から音符をなめらかにつなぐ(ポルタメント)ためには、表情コントロールプロパティのピッチコントロールを調整します。音痴に感じるところは、"〜ポルタメントを付加"のチェックを外すか、"ベンドの深さ"や"ベンドの長さ"の値を小さくすると良いようです。ロングトーンなどでは逆に大きめの値にすると良い結果が得られる場合もあります。扱いが難しいパラメータではあります。(汗)
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③ビブラートプロパティによる音程(音量)変化
伸ばした音の部分などにかけるビブラートは平坦な歌にならないようにするためには重要です。ビブラート量も好みがわかれますので、自分なりの好みで曲にあったビブラートをかけます。まれにノンビブラートの方が良い曲というのもありますが。
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④ピッチベンド(PIT)による音程変化
時間軸に沿って思い通りにピッチを変化させる事ができるので便利です。
発音時、または語尾などに効果大。
また、音程変化というよりアタックを付けたりするのにも効果的だったりします。
このピッチベンドの弄り方で個性やクセが出てきます。
ただ人によって好みのわかれるところでもあるので、これが正しいというのはないです。
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やはり④の効果は絶大です。
これのコントロールで声質まで変わったりもします。
あとピッチベンドの最大幅(PBS)も重要です。
ディフォルトは2(±2半音)に設定してありますが、自分の場合はいつもベンドレンジは12(±12半音「1オクターブ」)で設定しています。うなるような低い音から甲高い音までコントロールできるので、表現の幅も広がります。


ボカロのあるべき姿とは?
人それぞれ考え方も変わってくると思いますが、ボカロと人間は全くの別ものであるべきだと思っています。
あくまで平坦にならないように人間味をヒントとしているだけで、人間ぽくない要素というのもボカロには必要なんだと思います。そこがまだ追求できてないですが・・・。
最終的に人間に近づいたとしても結局、人間にはかなわないし、ボカロはあくまでボカロであってほしいと願っています。


調声の観点から今、過去作を聴きかえすと『名もなき〜』『空蝉の聲』ではもっと弄った方が良い箇所もあるし、『Between〜』ではやりすぎた感があるので、反省しつつ次回作に生かします。(汗)


まだまだ浅はかな知識ゆえに色々至らない点もございますが、ご意見、ご指摘等いつでもお待ちしております。

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2009/08/12

ルカの問題点と解決策を考えてみた

ルカ調声の記録。

進めていると、色々問題点が出てくる。その問題点を自分なりにまとめてみた。
マニュアルとか解説本とか読んでもすぐ忘れるアホなので、マニュアルは断片的にしか読んでません。
マニュアル通りでうまく行く場合もあれば、いかない場合もあります。
ボカロは奥が深い・・・


■伸ばしている音符でも減退が早く、スタッカートになる場合がある。

ディケイを100%にしてもこれは変わらない。間に「ア〜」とか「イ〜」とか、母音を入れてやると改善される事がある。この際、母音を置く位置でもニュアンスが変わってくる。


■日本語版ルカ、英語版ルカでは声のニュアンスが違う。日本語版がアタックの効いた声なのに対して、英語版はソフトで落ち着いた声。共存させようとすると違和感が残る。

全て日本語版ルカでミクのように調声すれば、違和感はなくなるが、せっかくの英語版ルカ。英語を歌わせたらこちらの方が断然発音も良い。ルカの得意分野を切り捨てるわけにはいかぬ!
英語部分は英語版ルカだけを使い、ピッチベンドで日本語と同様しゃくりや裏がえりなど、独特なクセを付ける事で多少改善された。・・・気がする。パワープレイともいう(汗)
ジェンダーをいじってもあまり効果はないようだ。
ここはまだ研究の余地がありそうだ。(汗)


■英語版ルカは単語単位で認識するので、特に音の分割が難しい。意図した歌い方(符割)にならない場合がある。

英語部分の一部だけを部分的に日本語で入力しても余計に不自然になる。声が(中の人は同じなのに)違うからである。
どうしてもだめな時は、単語を単音に変えて、似たような発音で個別に入力。


ルカマスターの道は険しい・・・(汗)

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追記:
英語版ルカの手動による音の分割は音素記号というのを駆使するらしい。(くじらさんありがとう!)
歌詞入力状態の時に alt + ↓ で音素記号がいじれる。
音素記号は @ とか { とか意味不明に見えるが、ノートをクリック長押しすると音が確認できるので、どこで分割するかは実際に音を聞きながらやります。
それでもうまくいかない時は、ルカマニュアルP90〜93(音素記号表)を参照します。

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2009/07/28

ミク調声の方法(Only a little)

Only a little』の動画のコメントを見ると、歌声にやはり賛否両論!?
調声(調教)方法を知りたい人もいるかも知れないので紹介します。

クセの強いミク調声の方法(Only a little編)』

まずはじめに言っておきます。ボカロ調声は人それぞれやり方や好みがあり、これが正しいというのはないと思います。

この曲で試行錯誤しながら自分が実践した方法をざっと紹介します。クセが強いですが^^;
全てを書ききれませんが、ポイントとなる部分は押えておきます。

まずジェンダーファクターは大人のミクにする為に95です!ミクだとかろうじて認識できるギリギリの設定です。16歳なんだけど、こうすると26歳以上くらいになります(笑)
発音によって違和感の感じた部分は、その部分だけ上げたり下げたりして微調整。

ブレシネスを軽くちょいちょい入れてやって、さらにハスキーボイスを強調しました。通常は息をコントロールするパラメーターのようですが自分的には息というよりもガラガラ声にするパラメーターと捉えています。上げ過ぎるとタンが絡まったような無茶苦茶な声になりますので、最高でも30から40くらいになるように音符を伸ばした部分、歌い出し部分などに入れています。山のカタチをしたカーブになります。(追記:ごめんなさい。今確認したら70くらいまで上がっている箇所もありました^^;)

デフォルト歌唱設定の全ての音のアクセントは、最初すべて0%に設定してあります。(ディケイは50%)
代わりにダイナミクスでアクセント、ディケイの効果を付けました。
そしてさらに強調したい部分に、後からアクセントを追加。

A_mero
Aメロ部分。
青がダイナミクス。グレーがピッチベンド。ベンドレンジは全体を通して12に設定。
かなりダイナミクスを付けてあります。ピッチベンドで語尾は下がり傾向にある歌い方にしました。歌い出しはぐいっと上がる感じ。


B_mero
Bメロ部分。
ここでもダイナミクス、ピッチベンドは多用しました。


Sabi_mero
サビ部分。
声を張り上げる部分なので、ダイナミクスはあまりいじらず、その代わりに強調したい部分のみに音符単位でアクセントを個別に100%とか50%とかに追加設定。ピッチベンドは叫ぶような裏がえるような効果の為にやはり多用してます。


歌い出し部分などに歌詞にない言葉「n」や「a」などのゴーストノート?を入れロックボーカルっぽくしています。

発音後に母音を新たに追加すると勢いがつく場合があります。サビ「貴方の光は〜」の「ひ ー」を「ひ い」など。


と、思い出しながら書いていますがこんな感じです。
何かご意見等ありましたらお気軽に^^

あ、英語のバックコーラスは、あの部分の為だけにルカにスタンバってもらってます。

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